2019年8月23日金曜日

猫好きにおすすめ 劇団四季「キャッツ」

家族で劇団四季のキャッツを観に行きました。10年くらい前に、横浜で観ましたが今回は少し遠い大井町です。雰囲気はほとんど変わっていませんでした。キャッツの劇場に入って驚くのが、劇場全体がゴミ捨て場になっていることです。壊れた扇風機やファミコンのコントローラ、長ぐつ、水族館のパンフレットなど、雑多なものが捨ててあってビックリします。キャッツの舞台になったロンドンのゴミ捨て場を再現しているのだそうです。劇場全体が、猫たちの目から見たゴミ捨て場になっていて、観客が猫になったような錯覚に陥るように仕組まれています。休み時間が20分ありますので、その時にゴミ捨て場をじっくり見て回るのも面白いと思います。

キャッツの原作は、ノーベル文学賞の受賞者でもあるT.S.エリオット。二十世紀の英国を代表する詩人で哲学者です。エリオットの猫好きが高じて書いた「ポッサムおじさんの猫行状記」という詩集がキャッツの元になっています。ポッサムとは、死んだふりが得意な動物のオポッサムのことで臆病者を意味します。エリオットは、自分をこの渾名で呼んでいたようです。詩集なので、あまり入り組んだストーリーはありませんが、ゴミ捨て場に集まる猫たちの人生模様が描かれています。泥棒猫、魔術師猫、長老猫、純情猫、娼婦猫などなど24匹の猫たちが次から次へと出てきてドラマを展開します。猫のメイクを見るだけでも楽しいです。(双眼鏡が必要)人間は、一人も出ませんが、人間の本質が描かれているような気がします。猫でないとダメなんでしょうね。犬だったらこんなにヒットしていなかったと思います。


この劇の中のハイライトは、やはり、ジェリクルキャッツに選ばれた猫が歌う「メモリー」です。なんど聴いても感動します。作曲は、アンドルー・ロイド・ウェバー。「ポッサムおじさんの猫行状記」の詩から霊感を受けて、キャッツというミュージカルを仕立て上げた張本人です。https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドルー・ロイド・ウェバー

最後に猫に扮した役者さんが観客席に来て、握手をしてくれたのですが、しっとり濡れた柔らかな手のひらが印象的でした。(2019年 8月22日 13時〜16時)

【メモリー日本語訳(劇団四季キャッツ)】
デイライト 夜露を払い
花は甦る ひまわりのように
待とうよ 夜明けのかなたから
あらわれる 明日を

メモリー 仰ぎ見て月を
思い出を辿り 歩いてゆけば
出逢えるわ 幸せの姿に
新しい命に

メモリー 月明りの中
美しく去った過ぎし日を思う
忘れない その幸せの日々
思い出よ 還れ

街の灯は 消え去り
夜の終わりが
古き日は去り行きつつ
夜明けが近づく

デイライト 夜明けとともに
新たな命を 日はもう昇る
この夜を思い出に渡して
明日に向かうの

木漏れ陽は輝き
光があふれる
花のように朝が開く
思い出は去る

お願い 私にさわって
私を抱いて 光とともに
わかるわ 幸せの姿が
ほら見て 明日が

【メモリー YOUTUBE URL】
https://www.youtube.com/watch?v=_qtURTVo60o

【キャッツのパンフレットより転載】
満月が青白く輝く夜、街の片隅のゴミ捨て場。
たくさんのジェリクルキャッツたちが、年に一度開かれる"ジェリクル舞踏会"に参加するため集まってきます。

人間に飼い馴らされることを拒否して、逆境に負けずしたたかに生き抜き、自らの人生を謳歌する強靭な思想と無限の個性、行動力を持つ猫、それがジェリクルキャッツ。

そして今宵は、長老猫が最も純粋なジェリクルキャッツを選ぶ特別な舞踏会。
再生を許され、新しいジェリクルの命を得るのは誰か。

夜を徹して歌い踊る猫たち。
やがて夜明けが近づき、ナイフで切ってしまえそうな静寂に向かって、天上に上り、
新しい人生を生きることを許されるただ一匹の猫の名前が、宣言されます。

その猫とは‥。






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